人人会は、中村正義、星野眞吾、山下菊ニ、斎藤真一、大島哲以、佐熊桂一郎、田島征三によって、1974年に創立されました。同年6月、日本橋三越で最初の展覧会「黒い太陽・七人の画家たち-人人展」が開催され、日本画、洋画というジャンルを越えた画家集団が誕生したのです。
人人会結成に関わる中心人物は、愛知県豊橋市生まれの中村正義(1924年-1977年)です。中村は、1960年36歳の若さで日展審査員になるなど早くから注目されましたが、日展の封建性に疑問を感じ、翌年には脱退してしまいます。そして、中村は矢野純一らとともに1963年に新しい日本絵画の創造を目指す作家を集めた「日本画研究会」を発足させました。やがて、彼は先鋭的な画家集団をつくりたいという構想を抱きはじめるようになり、中村のこうした思いを結実した形が人人会創立と言えます。人人会は、『自由な創作活動を希求する個々の作家とその連帯に支えられたグループ活動』を目指した団体であり、中村と旧知の間柄であった星野眞吾(1923年-1997年、豊橋市生まれ)もパンリアル美術協会を経て、中村に共感し行動をともにします。星野と同じくパンリアル美術協会の創立会員であった三上誠(1919年-1972年、大阪市生まれ)は、第1回人人展を待たずに逝去しますが、結成に関わりました。
本展では、中村正義を軸として星野眞吾、三上誠を中心に取り上げ、1960年代中頃から1974年の人人会結成に関わる約10年間の画業を作品や資料で振返りながら、人人会創立会員である山下菊二、斎藤真一、大島哲以、佐熊桂一郎、田島征三の第1回人人展の出品作品など、約100点をご紹介します。
【出品作家】中村正義、星野眞吾、三上誠、山下菊二、斎藤真一、大島哲以、佐熊桂一郎、田島征三