讃岐を測り、新式鉄砲を創り、坂出塩田を造った、久米栄左衛門 ―その驚くべき科学の世界。
「坂出塩田の父」として知られる久米通賢、通称栄左衛門。坂出塩田は、当時の高松藩の財政をうるおしただけでなく、明治時代以降も国内有数の塩田として栄え続けました。 栄左衛門の行った仕事は、坂出塩田の開発だけにとどまりません。日本の正確な地図を作成したことで有名な伊能忠敬に先立ち、自ら製作した測量具によって高松藩領の測量を行いました。また、時代の動きを敏感に感じ取って、新たな武器開発を始め、西洋のものより優れた発射機構をもつ鉄砲などを発明しました。 こうした久米栄左衛門の活躍は、これまで脚光をあびることが割に少なく歴史の影にかくれていましたが、その知識や製造品は極めて優れており、新たに見直されるべきものです。本展示では、久米栄左衛門に関するさまざまな資料を一堂に集め、戦後最大の規模で、知られざるマルチな活躍ぶりを紹介します。