開館20周年だから実現できた展覧会
「鎖国」に再考を迫る160の優品が岡崎に集結
江戸時代の日本が完全に「鎖された国」ではなかったことは、広く認識されてきています。一方で海外渡航が禁止されるなど、世界とのつながりは限定的であったのもまた事実です。その限られた中でもたらされる異国の文物に人々は憧れ、時に誤解を伴いながらそれを受け入れていきました。本展では、国宝・重文二〇点あまりをはじめとした、古文書・典籍から絵画・工芸、日用品までの幅広い約一六〇件の資料が一堂に会します。資料の幅広さはそのまま、江戸時代の異文化受容の広がりを示しているといえるでしょう。美術・歴史の枠を超えた多様な側面から、「鎖国」を捉え直します。インターネットで簡単に世界につながる一方で、身近なことでも関心外のことは知ろうともしないことも多い現代。この展覧会を「開かれた」今を見つめ直す機会としていただけたら幸いです。