シュウゴアーツ ウィークエンドギャラリーは2月6日(土)より、神戸を拠点に音と言葉を基点とした未踏の芸術世界を開拓し続けている藤本由紀夫の個展「Broom (Coal) / Tokyo」を開催します。
1970年代に電子音楽を学んだ藤本由紀夫は、ステージやスタジオといった音楽の場を早々に離れ、マルセル・デュシャンとジョン・ケージの打ち建てた現代芸術の文法に則って、音あるいは言葉に対して価値をつけなおす営みを続けてきました。
藤本芸術の別の側面としてあげられる特徴は作品がしばしばインタラクティヴであることです。今展のメイン作品「Broom (Coal)」は、ウィークエンドギャラリーの床一杯に敷いた石炭によってかたどられた「レコード盤」の上を、展覧会に訪れた人々がレコード針よろしく踏み歩くことによって生ずる音を自ら聴くという、参加者自らが関わることによって初めて作品が成立するものです。すでにオーストラリアのバースとドイツのドルトムントにて実現しているインスタレーションの日本初の出現となります。
また今展初日にはビデオトークショーを予定しております。具体作家村上三郎の紙破りについて、これに「音」芸術として正当な評価を与えることで、村上三郎本人にようやく溜飲を下げしめた藤本由紀夫が自ら編集したビデオを披露します。藤本由紀夫の芸術分析力の圧倒的な面白さを垣間見る機会となります。
シュウゴアーツ