板状の土を重ねた塊から形を刳り貫いていく『積層刳貫手』と、色味を加えた土を何層か重ね、独自の色合いの粉引『色層』。片山亜紀さんは、この二種類の技法で表情の違う作品を制作しています。
彼女の造形はいづれも、シンメトリーを避けた居心地の良い納まりを保っています。年月を重ねた大自然の片鱗さえ感じさせるその原点は、片山さんが生まれ育った自然環境の記憶の断片によるそうです。
今回の個展では『色層』シリーズをメインに、フォルムにこだわった作品を制作。花器として機能しますが、オブジェとしての存在感も充分兼ね備え、インテリアの「しつらえ」として大いに楽しめます「きれいなだけでなく、より土っぽさも出したいと思って、信楽の原土を混ぜてみたりもしました。さぐりさぐりですが、、、」と。
心地良いフォルと質感を目指して、ひとつひとつていねいに作られた作品展です