寿(ことほぎ)とは、もともと、「言(こと)祝(ほ)く」、つまり言葉で祝福する、よろこびを言葉で表す、を意味します。
古来より日本では、新年のはじまりに神々を祝福する言葉(祝詞)で、家族の健康や幸せを祈り、それにあわせて、縁起の良い、めでたい意味をもつ題材の絵を床の間にかけて、厄災をはらい、福を家に呼び込もうとしてきました。
今回の特集では、直接的な言葉ではなく、長寿や富貴、繁栄をねがう伝統的な吉祥画題―おなじみの鶴亀や七福神、松竹梅や朝日、富士山などを描いた、「無声の詩」の絵画によって、新春の訪れを寿ぎます。