西アジアを代表する弦楽器の「ウード」は、西洋梨を縦に割ったような胴を持った楽器です。ウードは<楽器の女王>とよばれ、ササン朝ペルシア時代の弦楽器をその祖としています。ウードは西洋に伝えられ「リュート」となり、また東に伝えられて「琵琶」となったといわれています。
秋の企画展は、博物館を訪れて下さった皆様に、こうした「リュートの仲間」の楽器から、文化の広がりと各民族の工夫のさまを、楽器の形の美しさと音を楽しみながら見て感じていただく展覧会です。
21世紀は、世界中の民族に対する広い視野をもち、異文化を尊重しつつ相互に理解し合うことが重要な世紀になることと思います。
こうした、世界情勢の中にあって、いま日本の音楽教育の中にも、民族楽器や和楽器の学習が大きくとりあげられ、地球の各地に暮らす人々に子供たちの新鮮なまなざしが向けられようとしています。
さあ、あなたも、博物館で「弦の路」をたどる世界旅行をしてみませんか?
きっと、小さな発見があることと思います。