万葉文化館は平成一三年に開館して以来、『万葉集』に詠まれた歌をモチーフに当代一流の日本画家が制作した万葉日本画を館蔵品の核として展示してきました。本年度から来年度にかけては、こうした万葉文化館の原点に立ち返り、「万葉日本画」全一五四点を、三期に分けて一挙に展示いたします。
第Ⅰ期の展示テーマは花鳥画です。『万葉集』には花や鳥を詠んだ歌が多く存在します。そのため、万葉日本画でも同様に、花や鳥をモチーフとした作品が多く制作されています。
花と鳥は、古代より自然のなかの生きとし生けるものの代表的存在であり、様々な心情や意味を託されて、歌に詠まれ絵に描かれてきました。万葉日本画に描かれた鳥や花を通して、『万葉集』の世界に触れていただければ幸いです。