芹沢銈介は文字の造形に強い関心を持ち、初期から晩年まで、大小たくさんの文字作品を制作しました。漢字を布で表現したもの、漢字の一部が模様になったもの、文字の中に動植物の世界を表現したもの、文字を擬人化したものなど、実にさまざまな工夫が見られます。本展覧会では、芹沢銈介の額絵、のれんなどの文字作品を中心に60点の作品をご覧いただきます。
また展示室の後半には、芹沢銈介の収集品の中から朝鮮民画を展示します。芹沢銈介は、昭和28年ごろから朝鮮民画の収集を始め、多数の資料を集めました。当館には76点の資料が収蔵されており、300点近くにおよぶ芹沢の絵画コレクションの中でも重要な一角を占めています。芹沢の集めた朝鮮民画はバラエティに富んでおり、文字絵の他、文房図、花鳥図、物語絵など、多彩な主題を見ることができます。本展では当館に所蔵する朝鮮民画全点を展示します。