西洋建築の模倣から始まった日本の近現代建築は、モダン・ムーブメントを受容する中で日本独自の発展を遂げ、今日に至っています。その過程において、近代建築界の巨匠であるフランスの建築家ル・コルビュジエ(1887-1965)の作品と思想は、日本の建築界に多大な影響を及ぼしました。本展では、日本の近現代建築において、ル・コルビュジエがどのように発見・受容され、展開したかを、パリのアトリエで学んだ3人の弟子たち(前川國男、坂倉準三、吉阪隆正)の活動を中心に探るとともに、日本におけるル・コルビュジエ唯一の実作《国立西洋美術館》(1959)の建設経緯と建築の魅力を紹介します。