万葉文化館は平成一三年に開館して以来、『万葉集』に詠まれた歌をモチーフに当代一流の日本画家が制作した「万葉日本画」を館蔵品の核として展示してきました。本年度から来年度にかけては、こうした万葉文化館の原点に立ち返り、「万葉日本画」全一五四点を、三期に分けて一挙に展示いたします。
第Ⅱ期は、人物画をテーマとして、五〇点の作品を展示します。『万葉集』には天皇や貴族、下級役人から防人まで様々な身分の人々を詠み手とする四五〇〇首以上の歌が収められています。「万葉日本画」における人物画は、そうした詠み手の姿や心情に焦点を当てたものが多く、当時の人々の姿が生き生きと描かれています。
「万葉日本画」に描かれた人々の姿を通して、古代の世界に触れていただければ幸いです。