心が動いた時、作品を作っている。
出会ったり別れたりする時によく新しい形が生まれる。
本物のカメレオンの目がサザエの形に見えたのでサザエの殻を貼り付けた。漆の磨き上げられた肌と出会った時、カエルのヌルリをつくりたくなった。岩手の人と出会った時、この人の温かさとしなやかさにいつも心を動かされていた。ブラフマン(コブ牛)のような二上山の稜線と夕焼けの空に、遠くから元気であの人もこの空を見ているだろうかと思いを馳せた。今回の作品の『東と西の間』は東洋と西洋の間にある祈りの場所を表す点である。そして岩手と京都の間の移動距離線でもある。多くの出会いと別れを含んでいる。
高垣 リミ