木をめぐるアイヌの技と心
木もまたカムイ(神)とするアイヌ(人間)。古来、儀礼具から生活用具や衣装まで、様々なものを木を用いてつくり、くらしの中で木を使う技と世界観を受け継いできました。本展では、技と心の伝承に焦点をあて、アットゥㇱやイタなど、道内はもとより全国から選りすぐったアイヌの木の造形447点を紹介します。
祈りのかたち―イクパスイ
圧巻なのは、177点が一堂に展覧されるイクパスイ。先端にお神酒をつけ、神や先祖にお神酒を捧げるときに用いる儀礼具で、祈り言葉を補完してくれるといいます。その表面には多彩な彫刻が施され、真摯な祈りに根ざしたアイヌのゆたかな造形力が現れています。
北海道土産や現代造形まで
北海道観光ブームのもとで人気を博した熊の木彫りやアイヌをモティーフとするお土産品の数々、さらに現代作家による優れた木の彫刻や工芸作品も展覧します。