このたび彫刻の森美術館では、ドラマチックな表現力で幅広い分野において第一線で活躍する写真家、笹口悦民の世界を紹介する展覧会「笹口悦民写真展 無言の恍惚」を開催いたします。
笹口悦民(1970年北海道生まれ)は、大学在学中に編集部でのアシスタントを経て、その後、写真家の安部英知氏に師事。1995年に写真家として独立。以後、ファッションや広告の分野を中心に活動の場を広げてきました。その一方で、物語性をはらんだ笹口独特の世界観のある作品も発表しています。その硬質でいながらも滑らかな写真表現は、各方面で高く評価されています。
本展では笹口の写真190点と3点の映像作品を<気配> <質量> <透明> <輪郭> <距離>の5つのカテゴリーに分けて展示します。写真は2点をつなげて1作品として観ていただきます。写真と言葉を同時に観ることで、視覚体験は思考に展開されます。タイトルの「無言の恍惚」は、多くを語らない写真家・笹口からのひそやかなメッセージであり、来館者は、笹口の撮影体験を5つの言葉を通して追体験することができます。
会場を巡りながら、写真との対話をお楽しみください。