ふぞろいなハーモニー:広島から現代のアーティストが映しだす東アジアの多様さを見つめる
「ふぞろいなハーモニー」展は、東アジア地域において常に変化する「調和=ハーモニー」の概念について、現代のアーティストによる作品や調査、活動を通じて、協働の可能性を問いかけ、対話の機会を広げていくことを目指した展覧会です。人的、文化的交流が活発で、魅了しあい、影響しあう関係性にある東アジアは、一方で政治的な軋轢の絶えない地域でもあります。ここで調和とは、協力体制を築こうと意識する動きであり、多様性とは相対する圧力になってしまう一面を持っています。この展覧会では、アーティストたちの作り出す作品を、変化の中にある時代を映す鏡ととらえ、社会性と結びついた美術表現を通じ、東アジアの今についての探求を広島の地から行っていきます。ひとつの歴史的事象も、別の立ち位置から見れば全く異なるとらえ方をするように、多様な視点があることを認識し受け止める想像力が現代ではますます求められています。被爆の惨禍を記憶に持つ広島の地から、これまでを振り返りこれからを考える新たな関係を培い、今日の社会における課題を、美術という創造を通じて考えます。