1980年代のアメリカ美術を代表するアーティスト、キース・へリングが、1990年に31歳という若さでこの世を去ってから25年。時代が変わり価値観の多様性をみせる現在においてもなお、その作品は世界中で愛され続けています。80年代アメリカの「光と影」を背景に、キース・へリングは10年余りという短い期間に精力的な創作活動を行いました。彼は、世相を反映するかのように「未来への希望と夢」を表現しながらも、一方では「人間の持つ狂気」などを表した作品も多く、「光と影」両方の側面の作品を残しています。日本においても展覧会やワークショップの開催、ポップショップが展開されたこともあり、世代を問わず誰もがどこかでキース・へリングの作品を目にしている、知っているはずです。そんな作品を通して「希望」と「夢」というエネルギーを感受していただくと同時に、キースの考えたことや人生、そして彼が駆け抜けた時代について想いをめぐらせ、キース・へリングの世界観に触れ、彼の魅力を体感していただきます。本展覧会では、80年代アメリカ現代アートにおいて、シンプルな線で描かれた人間やイヌなど、ユーモア溢れる作品で活躍したキース・へリングのコレクションのみを展示・収集する世界で初めての美術館「中村キース・へリング美術館」所蔵作品より、版画をはじめ、ドローイング、彫刻、写真作品などをご紹介します。