名古屋市美術館では、姉妹都市であるメキシコ市との文化交流および郷土の画家北川民次と影響関係から、「メキシコ・ルネサンス」を収集方針のひとつとしてコレクションを進めていきました。ルフィーノ・タマヨ(1899~1991)は、メキシコ壁画運動の巨匠(オロスコ、リベラ、シケイロス)に続く世代のメキシコ近代絵画を代表する画家であり、現在までに作品7点(油彩画5点、水彩画1点、版画1点)を収蔵するとともに、1992年の開館5周年記念の際には、世界で最初の遺作展を開催しました。今回の常設企画展では、名古屋・メキシコ姉妹都市提携25周年を記念して、名古屋市美術館のコレクションに埼玉県立近代美術館が所蔵する版画作品(21点)を加えて、メキシコの民族美術の伝統とヨーロッパの近代絵画の造型を融合したタマヨ芸術を紹介するものです。この展覧会を通して名古屋市とメキシコ市との友好と交流がいっそう発展することを願っています。