弥生時代に大陸から伝来した鏡は、光輝を放つ性質から神聖なものとみられると同時に、中国王朝の権威を象徴する、舶載の貴重な財として取り扱われました。古墳時代になると、倭王権から大豪族へ、さらには地域首長へと贈与が繰り返され、各地にひろがっていきました。そして、当時の人びとの心性と深いかかわりをもつ、鏡をめぐる独特の文化が成立しました。
本展では、この鏡にスポットをあて、中国における鏡の誕生とその展開、日本列島の社会のなかで鏡が果たした役割とその歴史、さらには鏡をめぐる心性の歴史を、初公開を含む約200面の鏡で紹介します。