斎藤清は、1907(明治40)年に福島県に生まれました。画家を志して上京、やがて木版画の制作に打ちこみ、1951(昭和26)年には、第1回サンパウロ・ビエンナーレで木版画の作品が日本人としては初めての賞を受賞し、日本の現代版画の第一人者として世界的にも高い評価を受けました。そして1997(平成9)年に90歳で亡くなるまで、詩情豊かで造形的な優れた作品を数多く制作しました。
故郷会津の風景や、日本や外国の風景、人物像や花や動物そして伝統的な仏像や埴輪など多彩な題材を鋭く見つめ、その本質の美しさを導き出した多くの作品は、簡潔な構図とモダンな感覚で、新鮮な感動を見るものに与えます。
この展覧会では、福島県立美術館より選りすぐりの作品109点をモチーフごとに展示構成し、斎藤清の創造の世界をご紹介します。