花は美術や工芸の題材として、古くから親しまれてきました。
江戸時代まで、花は花鳥画として多く描かれ、近代以降に西洋の静物画が導入されても、花は主要なモティーフであり続けました。また、有田焼などの工芸品でも草花文は中心的な文様であり、近現代の染織や陶芸などの工芸部門においても花文様の作品が多く制作されました。
本展では、所蔵品の中から、花を描いた江戸時代の柿右衛門様式の磁器をはじめ、成富椿屋、小栗潮などの日本画、山口亮一、松本弘二などの洋画、さらに鈴田照次の染色、初代松本佩山、12代酒井田柿右衛門の陶芸作品などを選び、展示・紹介するものです。
なお、参考として千利休や洋画家・梅原龍三郎等による“花についての言葉”のパネルも用意しましたので、あわせてご観覧ください。