金子英彦(1924-2010)が前橋駅前に構える「やまだや画廊」で、1963年1月、前橋在住の5人の若手作家を紹介する展覧会が開催され、ここに「群馬NOMO(ノモ)グループ」が誕生しました。65年からは金子自身も代表としてメンバーに加わり、同年6月の「群馬アンデパンダン展」の開催や、8月の「アンデパンダン・アート・フェスティバル」(岐阜市民センター)での「標識絵画」の発表など、新しいメンバーを加えながら活発な活動を展開していきます。66年8月、県庁前通に面した前橋ビル商店街のシャッターに絵を描くイベントは全国的な注目を集めました。68年6月から7月にかけては、東京神田のスルガ台画廊でメンバー7人の連続個展を開催しますが、翌年11月のグループ展を最後に、活動は休止されます。
1960年代、日本各地で同時多発的に興った前衛美術グループのひとつに位置づけられる「群馬NOMOグループ」は、前橋という一地方都市を拠点に、集団制作によって芸術と社会との関係を探りました。この展覧会は、当時の作品や資料によって「群馬NOMOグループ」の活動の軌跡をとらえ、その全貌を明らかにする、初めての機会となります。