Mille Fleurs Japon 今回は写真を加工したデータに基づいてジャカード機で織ってもらった布を使った展示をします。カーテンやクッション、椅子ばりなど本来的なインテリアファブリックとしての展開に加え、衣服やポーチやブローチなど小物も展示します。 タイトルにある Mille Fleurs (千花模様)とは、小さな草や花が一面に広がる模様のことで、15~16世紀のヨーロッパでは大変ポピュラーな模様でした。特にフランスのタピスリーの背景に頻繁に用いられています。 本来は薬草や、キリスト教における宗教的な意味合いを持った植物が使われているのですが、身近な日本の道端に見られるような雑草を撮影、加工して使っています。その中に日本の里山に生息する小動物を配置していますが、今では絶滅したと言われるニホンオオカミの姿も入れてみました。今回のニホンオオカミのモデルはチョウセンオオカミの剥製です。この個体は韓国から送られ京都の動物園で飼育されていたものです。皮肉なことに韓国で絶滅した後も日本の動物園で2002年まで最後の一頭が生きていました。現在も北朝鮮には生息しているようですが。 また、数年前までは見かけなかった様な場所に出没して、(この個体は出町柳周辺が撮影地です) 何かと迷惑がられている鹿をいれていますが、鹿の増殖の一因はオオカミの不在にあるとも言われています。 華麗な千花模様の形を使って、実は食物連鎖や生態系をちょっとテーマにしています。