真木千秋さんがインドで仕事を始めて、もうじき三十年。六年前にインド北部の州に構えたganga工房では、染織・縫製などの仕事と並行して、周囲の土地を耕し、種をまき木を植えて育てた染料植物や野菜が少しづつ収穫できるようになりました。自らの手で養蚕した繭から糸を挽いたり、真綿にして紡いだりと、糸づくりも無限に広がります。自然の恵みと忘れかけている人の知恵と手わざを拾い集め、毎日の暮らしの中で心地よい衣や布づくりを目指しています。その風合いを手で触れて、身に纏ってみることで、一枚の布の背景にある空気を感じていただけたら嬉しく思います。