本展は、椎原保(1952-)と谷中佑輔(1988-)の二人展である。「親子ほどに年のはなれた」ふたりの間になにがあるのか、という問いはひとまず設定しない。タイトルは「躱(かわ)す」とした。交わす、ではない。ひとまずは。谷中は自身の身体と自らがつくりだす彫刻とに向き合い、よじ登り、食べ、叫ぶ。 他方、椎原は、丹平写真倶楽部のメンバーであった父・椎原治(1905-1974)と向き合う。亡き父が残した散逸しつつある資料の整理と、自身の日常との重なりのなかで、向き合う。私たちは躱されつづけている。今この瞬間も。