1961年(昭和36)に日立市で生まれ、1980年代半ばから絵画を発表している増田聡子は、新表現主義やニュー・ペインティングなどが隆盛する同時代において、イメージに合わせて画面をかたちづくる“シェイプト・キャンバス”の手法で独自の境地を拓きました。
増田の画面には、植物を想起させるような有機的な存在が描かれます。時を追ってさまざまな表情を見せるそれらは「描かれた面」と「物質としての面」とを意識させ、周囲と一体となって祝祭的な空間を展開しています。
日立市郷土博物館開館40周年の機会に、国内外で活躍を続ける増田聡子の回顧展を開催いたします。代表作から最新作まで、色と形とが響きあう世界をお楽しみいただけましたら幸いです。