東京国立近代美術館・京都国立近代美術館の所蔵品から、日本近代洋画の変遷をたどる特別展「洋画の大樹が根付くまで」展を開催します。
本展覧会は明治以降の日本の洋画に着目し、黎明期に西洋的技法や観点を伝えた浅井忠、黒田清輝、藤島武二らをはじめ、その後、日本的な洋画を探求した安井曾太郎、小出楢重、小磯良平、宮本三郎ら、さらにフォーヴィスムやアンフォルメルなどヨーロッパから新しい美術が流入した歴史を経て花開いた日本洋画の流れを、中村彝 (つね)《エロシェンコ氏の像》(重要文化財)を含む代表作群から通覧するものです。
あわせて、大正末から昭和前期の日本の美術運動に大きな影響を与えた西洋の画家から、ワシリー・カンディンスキー、ジョルジュ・ブラック、パウル・クレー、マックス・エルンストらの作品も紹介します。本展では、西洋絵画7点と日本の洋画47点、計54点が展示されます。
変遷と探究を重ねてきた日本近代美術の道程と、その中で生まれてきた個性あふれる作家の作品をご覧いただき、洋画という大樹がいかにして日本に根付いていったのか、画家たちの新しい表現を求める試行錯誤と挑戦の歴史を、日本を代表する名作の数々を通じて感じていただければ幸いです。