黄金崎クリスタルパークは、これまで現代ガラスをテーマに独自の展覧会を開催し、その普及に努めてまいりました。今回は、温度帯によって変化するガラスのユニークな特質に焦点を当て、現代ガラスの技法と表現を紹介いたします。
ガラスは、原料を高温で熱してつくられますが、このときには熔けてやわらかい飴状になります。この熱い熔融した状態のガラスによる技法を、一般にホットワーク(hot work)と言います。一方、ガラスは常温では固まった状態で、急激な力や熱が加わると割れることはあるものの、ある程度の強度や耐性を備えています。こうした冷めて固まっているガラスを用いる技法を、コールドワーク(cold work)と呼びます。更に、完全に熔解させない程度に熱して、適度に軟化させた状態のガラスを使用する技法もあります。電気炉(kiln)やバーナー(burner)を使うもの、またホットワークの装飾等にも、該当するものが見られます。
当展では、ガラスの状態を「熔ける」「固まる」「軟化する」の3つに分け、それぞれの温度帯におけるガラスの特性を活かした造形作品を展示いたします。自在にガラスを扱い制作する作家たちの技法と表現をお楽しみください。