江戸時代の俵屋宗達、尾形光琳・乾山兄弟、酒井抱一、鈴木其一などを代表的な作家とする琳派。琳派は、“派”とついてはいますが、宗達から光琳の間が100年空いているように、流派として受け継がれてきた訳ではなく、先人の仕事を慕う作家達がそれぞれに尊敬し、手本とするという特殊な形で展開してきました。しかし、他の多くの流派が生き残れなかった一方で、琳派は現代に至るまで様々なジャンルで生き続けています。それは、琳派が新鮮で、自由で、魅力的だったからと言えます。今年、平成27(2015)年は、その琳派の創始者と目される本阿弥光悦(1558-1637)が、元和元(1615)年に徳川家康から京都・鷹峯の地を拝領し、光悦村という芸術村を開いてから、ちょうど400年の節目に当たります。この記念すべき年に開催する本展覧会は、琳派の魅力に引き付けられた近代から現代にかけての作家達が生み出した、ファッション、グラフィック、絵画、工芸、版画などあわせて約80件の作品を3つの章に分け、琳派の広がりを紹介するものです。“一目で琳派”から、“なるほど琳派”まで、近現代の名品を展示する本展は、400年前、ここ、京都で誕生し、世界で輝き続ける琳派・RINPAの魅力をよりよく理解していただけるまたとない機会になるでしょう。