きらきらと輝く潤んだ少女の瞳、カールした金色の髪、画面いっぱいに散りばめられた花々、ヨーロッパを思わせる風景やお姫様――。画家・高橋真琴は、少女たちのあこがれの世界を一貫して描きつづけています。
高橋真琴は1934年に生まれ、1953年に漫画家としてデビューしました。1958年から雑誌『少女』で漫画連載を開始します。1960年代以降は『マーガレット』『少女フレンド』といった少女向け雑誌や『よいこ』『小学一年生』などの学習誌に、カラー口絵や附録、世界の名作物語などの絵物語を描き、高橋真琴のおしゃれで可憐な少女の絵は高い人気を集めました。また、高橋真琴の描く少女たちはノートや鉛筆などの文房具、ハンカチなどの日用品を飾り、多くの人の目に触れて親しまれてきました。
高橋真琴は1963年に千葉県佐倉市に移住してアトリエを構え、現在も同地において制作に取り組んでいます。1992年以降は毎年開催する個展を中心に精力的に発表をつづけており、その華やかで繊細な描写は観る者を驚かせます。本展では、個展で発表された近年の大作から初期の原画まで、幅広くご紹介します。画業約60年にわたる高橋真琴の世界をご堪能ください。