中国新聞社と共催で、「原爆報道展 未来への伝言 語り続けるヒロシマ」を開催します。
世界で初めて被爆した中国新聞社が戦後一貫して取り組んできた原爆報道の全体像を紹介し、被爆体験の継承や核兵器の廃絶、世界平和の実現を訴える姿勢を広く知ってもらうのが目的です。
1945年8月6日午前8時15分。世界で初めて投下された原子爆弾によって、広島の街は一瞬にして壊滅しました。中国新聞社は社員113人が死亡しました。社屋も半壊し印刷不能になりましたが、3日後には代行印刷で発行を再開し、1か月を経ずして自力による発行にこぎ付けました。明治25年5月の創刊に続く「第二の創業」であり、被爆の惨禍からの奇跡的な復興でもありました。以来、歴代の記者がヒロシマの声を基に原爆・平和報道に携わり、その使命ともいえる取り組みは過去4度、その年のもっとも優秀な新聞報道に与えられる新聞協会賞を受賞しました。「世界平和の確立」は社是にもなっています。
原爆報道展は、被爆者とともに歩んだ57年間の軌跡を振り返るとともに、平和・核問題が現在、そして未来の課題であることを、21世紀を担う若い世代に訴える平和メッセージの発信でもあります。
昨年9月の米中枢同時テロと報復攻撃にもヒロシマは「報復の連鎖」を断つように呼びかけてきました。戦禍と紛争の絶えない国際情勢下で、惨禍を超えた被爆地の声を伝え続ける原爆報道の重みは一層増しています。