徳川家康が領地拡大を目指して駆け巡っていた戦国時代、徳川家を支える武将のひとりに酒井忠次(庄内酒井家初代)がいました。
忠次は家康の叔父という血縁関係にあり、また、多くの戦で活躍したことから、のちには徳川四天王筆頭とも称されます。
三河国より興った酒井家でしたが、2代家次以降転封を重ね、元和8年(1622)には、3代忠勝が出羽国庄内13万8千石の地へ入部します。その後、石高を14万石とし、幕末に至るまで約250年の間、酒井家は庄内藩主として領国の維持に努めました。
戦乱の世を経て訪れた江戸時代の「平和」、この時代に花開いた文化は、多くの名品を生み出します。全国の諸大名と同じように、酒井家もまたそれら名品を入手し、家宝として大切に守ってきました。
本展では、酒井忠次所用の甲冑「朱塗黒糸威二枚胴具足」、3代忠勝の時代に伝来した短刀 銘吉光(名物信濃藤四郎)など、「酒井家の遺宝」の数々を紹介します。