関西アート界から、若手アーティストを発信します。
今後の活躍が期待される関西にゆかりのある若手アーティスト4組によるグループ展を開催します。
Art Court Frontier展は2003年よりアニュアルで継続開催しており、今年13回目を迎えます。本企画では、美術界の第一線で活躍中のキュレーター、アーティスト、ジャーナリスト、批評家などに出展アーティストの推薦を1名ずつ依頼しています。
過去12回は、関西からの若手作家の動向を大きく掴み、通観いただくために約10組によるグループ展として開催して参りました。会場では新進気鋭の作家がエネルギーをぶつけ合い作品展示を展開し、各年の特色を見せながら、瑞々しいエネルギー溢れる展覧会となりました。今回より、本企画が参加作家のより強固なアピール拠点となるための展開として、これまでの趣旨を引き継ぎつつ、それぞれの充実した紹介を目標に加え、出展アーティスト数を半数程に絞り込むことで会場スペース面の制約を軽減し、ダイナミック且つ十分な余白空間が採用できる作品展示を致します。
流れる時間を切り取るように、レーザーポインターの光が通過してゆく。東畠孝子[推薦:豊永政史]は、時間・身体・記憶をテーマに、既製品(他者)と作家が生成したもの(主体)とが混在した空間で、インスタレーションを展開してゆきます。反復する日常の中に生じる差異を手がかりに、他者と主体との関係の中でこそ、時間が生み出されていることに気づかされます。
「目の前にあるものを見て理解する」行為に意識を向け、人の認識をあぶり出しながら「ものの本来の姿」について探究する堀川すなお[推薦:吉岡恵美子]。モチーフの質感や色味などの要素を排除し、青色鉛筆のみで描かれるドローイングは、物質の内側を緻密に観察し、コンパスや定規を用いて、さながら製図のように正確に構造と細部を写し取ってゆきます。表れたイメージは普段私達が抱いているものと大きく異なり、理解しているはずのものに潜む未知の側面が浮かび上がります。堀川はまた「形を観察、説明する言葉をもとに描く」場合など、伝達の方法で変化する認識を辿り、「見ること/見えること」をテーマに制作を続けています。
ガラスとその周囲に存在する、張りつめた、無意識に息を潜めてしまうような感覚。脆さ、繊細さ、弱さを持つからこそ強い印象を与える――。
谷口 嘉[推薦:以倉 新]は、作為を最小限に抑え、素材が持つ道理に委ねながら成された形を受け入れ、ガラスそのものをコンセプトとし、作品に昇華させてゆきます。
contact Gonzo[推薦:安部美香子]は、肉体を衝突させるスリリングな即興的パフォーマンスや映像、写真作品で人々を魅了しています。暗黙のルールに則りながらも、喧嘩と見まがうほどの激しい動きは、合理化とエコノミーの時代に置き忘れた「ただの身体」を、見るもの一人一人に取り戻させてくれます。本展では、写真作品を発表予定。
今後の活躍が期待されるFrontier作家たちによる「関西の現在」を、どうぞお見逃しなく!