浜松市美術館には、「美愛真」と名づけられた47冊の画帖があります。そこには220名余りを数える著名人の絵や書が描かれています。画帖を集めたのは、浜松市出身の鈴木八郎氏(1912~2002)です。「ゆすら」の号で戦前から俳人として活躍し、復員後は文化雑誌「地方文化」の創刊や俳誌「みづうみ」の編集に携わりました。またノーベル物理学賞受賞者の湯川秀樹氏を浜松に招いて講演会を開くなど、幅広い文化活動を行いました。
本展では、「美愛真」帖とともに鈴木三朝、野島青茲、武者小路実篤、平山郁夫、伊東深水、梅原龍三郎などの館蔵作品を展示し、そこに描いた著名人たちと鈴木八郎氏との交流の軌跡をたどるとともに、近代日本絵画の流れを紹介します。