東洋美術の伝統的主題である花鳥・山水は、中国を起源として東アジアで広く愛され、絵画をはじめ工芸品を装飾する代表的な図柄として用いられてきました。花鳥は、四季折々の木々や花とともに、小鳥や水鳥、昆虫や小動物などが表現されるもので、華やかさや季節のうつりかわりを感じさせます。そしてそこに配されたモチーフには、富貴・子孫繁栄といった願いのほか、自由な境地や高潔性といった精神的な理想などの様々な寓意が込められ、その図柄は、広く親しまれています。また山水は、自己が抱いた理想の世界を山や水に託して表現されたもので、世俗をはなれた理想世界への憧憬ともいえます。このように、花鳥山水は、広く受け入れられ、その影響はわが国にも及んでいます。
この展覧会では、江戸時代から近代までの絵画をはじめ、陶磁器・漆工品・金工品などを展示します。