フィンランドを代表する画家ヘレン・シャルフベックの
日本で初めての回顧展です
ヘレン・シャルフベック(1862-1946)は、2012年に母国のフィンランド国立アテネウム美術館で生誕150周年を記念する大回顧展が開催されたのを機に、近年世界的にも注目される画家の一人です。奨学金を得てパリに渡り、マネやセザンヌ、ホイッスラーなどの芸術やジャポニズムの流行に触れ、帰国後はヘルシンキ郊外の街ヒュヴィンカーや南フィンランド沿岸のタンミサーリで制作を続けました。パリを離れてもフランスやイギリスの雑誌などから美術動向を敏感に学び取り、後には17世紀の巨匠エル・グレコからもインスピレーションを得て新しいスタイルを探求、いずれの取り組みも自家薬籠中のものとしている点が特筆されます。
本展では、パリ万博受賞作《快復期》(1888年)や、フィンランド移住後の作でホイッスラーの影響を強く感じさせる《お針子(働く女性)》(1905年)などの代表作はもちろん、画家としての自身を見つめた自画像や静物画にも注目しながら、フィンランドを生きた女性画家の軌跡をたどります。