練馬区に関係の深い作家と作品を紹介する「ねりまの美術」シリーズの第17回展として、近藤竜男氏の回顧展を開催します。近藤氏は、1933年(昭和8)東京生まれ。1955年東京芸術大学美術学部油絵科を卒業。卒業直後から多数の個展・グループ展を開催し、また読売アンデパンダン展に連続して出品しました。1961年に渡米、以来ニューヨークを拠点に作家活動を展開されました(2001年4月帰国)。アメリカ国内での各種企画展をはじめ、在外日本作家展―ヨーロッパとアメリカ―(国立近代美術館1965)、アメリカの日本作家展(京都・東京国立近代美術館1973-74)等の企画展にも招待されています。また、「美術手帖」や「芸術新潮」などの雑誌にニューヨーク通信を連載し、収集した資料をもとにした資料展も開催されました(広島市現代美術館1997)。
作風は多彩に変化しましたが、1969年以降、近藤氏は対角線を主要テーマにした絵画を発表しています。グレーやブルー、グリーンの単色の諧調と対角線を構成した作品は、明度・彩度が微妙に変化し、音楽的とも表されています。初の回顧展となる今回の展覧会では、読売アンデパンダン展出品作などの初期作品をはじめ、対角線を主体とした「blue Painting」シリーズや近年の円弧のシリーズなどから主要作品を集め、現代美術の本拠地で独自の作風を形成した画家の展開をたどります。是非ご覧ください。