宇城市不知火美術館では、毎年夏に絵本の原画展を開催しています。今回は、あたたかく優しい雰囲気が魅力の西平あかねさんの作品を紹介します。
西平さんは1968年、東京生まれ。小さい頃から絵を描いたり本を読んだりすることが好きで、次第に自分で絵本やお話を描くようになります。筑波大学大学院研究科修了後、結婚を機に長崎へ移り住み、2001年、福音館創立50周年記念作品募集への応募をきっかけに本格的な絵本制作をはじめます。
作品には、おばけ姉弟のさくぴーとたろぽうが活躍する「おばけかぞくのいちにち」「おばけのおつかい」「おばけのたんけん」「おばけのえんそく」「おばけのコックさん」などのおばけシリーズをはじめ、「ぶんかいきょうだい」、「おはいんなさい」や「かたつむりぼうやとかめばあちゃん」などがあります。どれも穏やかな雰囲気の中にユーモアが織り交ぜられ、何げない日常にある面白さとあたたかさを伝えてくれます。西平さんが絵本制作をはじめた当初は、毎日楽しそうにおしゃべりしながら絵を描く娘さんに大いに触発されたそうです。原画にもたくさんの子どもたちが登場しますが、そこに描かれたちょっとしたしぐさや行動に、西平さんの愛情ある観察眼を感じることができます。
今回は、人気のおばけシリーズから「おばけのおつかい」、「おばけのコックさん」、そしてお皿に描かれた唐子たちが主役の「おさらのこども」、なわとび遊びを題材にした「おはいんなさい」の4作品の原画約60点を展示します。絵本とは一味違う原画ならではの世界をお楽しみください。