身近な人々、自然とのふれあいや食事の楽しみ、住む場所や旅する場所との出会い―美術作品のなかに息づく生活や人生の断片の数々は、作り手やその時代の人々の生きた証でもあります。美術をあらわす「アート」という言葉は元来、「技」を意味するものでした。この展覧会は、美術=アートとともに、豊かに生きる技=アート・オブ・ライフを考えようとするものです。当館と群馬県立館林美術館の収蔵品を含めた約80点(会期中で一部展示替え)をご紹介しながら、19世紀の近代生活の豊かさを美術に結晶させた印象派の作品から、生活観が多様化した現代の美術まで、時代やジャンルを超えたそれぞれの作品のなかに、人生を、日々の生活を、こまやかに生きるための秘訣を探ります。