タイトル等
気 山本 修司 作品展
会場
ギャラリー白3
会期
2015-07-06~2015-07-18
休催日
日曜日
開催時間
11:00~19:00
土曜日 17:00迄
概要
山本修司は何ものではなくなったか

画家でも写真家でもないのに、写真をもとに絵画のような作品を制作し、彫刻家でないのに石を使って立体を作っている山本修司。その彼が、版画家ではないのに自称「版画」の作品を制作したという。以前私は「何ものではないか」という視点から彼の紹介文を書いたことがあるが、山本修司が画家や彫刻家など「何もの」にもならず、さまざまな手法を行きつ戻りつしながら追求しているものは一体何だろう?
その核心については、本人とて満足のいく理解に達していないからこそ探求を続けているのだろうし、ましてや他人が短い紙幅で語り得るものではないだろう。それでも最近の作品を見ていると、共通項として「水」があることに気づく。それも水平(線)や光の反射など物理的な「境界面」をもたらすものとしての水である。
境界面もまた「何ものでもない」存在である。そこには何か膜のようなものがあるのではない。境界面は量的にはゼロである。しかし山本修司はその「何ものでもない」境界面を表現している。時には水面=光の反射の集積として、ある時は石をつなぎ合わせることでたち現れる水平面として。
新たに始められた「版画」シリーズも、見た目的には「絵画」と大きく異なるものではない。技法的には版となる写真(カラーコピー)にシンナーを吹き付けることで、下に敷いた本紙にトナーを「透過」させているという。これまでの「絵画」や石の作品では、制作方法も、その結果としての作品も、境界面は反射面(水の外からの視点)として扱われてきた。しかし「版画」では、完成した作品には、反射面としての境界面があらわれているが、技法的には透過的(水の中から/中への視線)であり、これまでにないアプローチのように思われる。この変化が大きな転機となるかどうかは今のところわからない。本人によると、「版画」シリーズは、「絵画」の行き詰まりを打破するために始められ、一定の成果が得られた現在は(版画も継続しつつ)再び「絵画」に向かえるようになったという。
画家・写真家・彫刻家に次いで版画家でもなくなった山本修司は、その「何ものでもなさ≒山本修司らしさ」に磨きをかけ、大阪、そして韓国・大邱での個展に臨む。
(大阪新美術館建設準備室学芸員 三井知行)
イベント情報
■初日18:00より、作家を囲んでパーティを開催致します。
会場住所
〒530-0047
大阪府大阪市北区西天満4-3-3 星光ビル3F
交通案内
●JR大阪駅/地下鉄梅田駅より約15分
●京阪/地下鉄淀屋橋駅1番出口より約10分
●地下鉄南森町駅2番出口より約10分
●京阪なにわ橋駅1番出口より約5分
ホームページ
http://galleryhaku.com/
会場問合せ先
06-6363-0493 [email protected]
大阪府大阪市北区西天満4-3-3 星光ビル3F
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