画家たちの魂の炎
「感じたこと」を言葉にすることは、大変難しい。これを色と形で表現するのも容易なことではない。
画家は心の内に浮かぶ様々な感情を、一本の筆に託し、限られた色を使って描かねばならない。
しかし、絵は、世界中の誰の心の中にも、画家の思いを一瞬で届けることができる。どの画材も技法も楽なものなどはない。
特に油絵の具は、いつまでもヌルヌルしていて乾きが遅く、描いた線は、わずかな力でつぶれ、まじり、かすれてしまう。
油絵を自在に制御するには、高い技術と、強靭な体力と忍耐力を要する。
そして、最も大事な画材、それは、画家の魂を燃やす「炎」のような気迫と情熱であろう。
もうひとつの画材「魂の炎」が加わると、つややかな色彩はより鮮やかになり煌 (きら) めきを放ち、描かれた光は異次元の深い闇をも照らしだす。
不要なものを燃焼し、意味あるもののみを残す「創造的炎」は、画家たちの個性をよりはっきりと浮かび上がらせてくる。
府中近郊で活躍した画家のうち、特徴ある油彩画家5人をご紹介します。彼らが絵画に滾 (たぎ) らせたそれぞれの創造の炎の激しさと美しさをご覧ください。