19世紀後半、フランスに起こった「印象派」は、自然から受ける感動を素直に表現する芸術運動として美術の歴史に大きな影響を与えました。親しみやすい題材を柔らかな色彩で描き上げた作品は、今も多くの人々を魅了し続けています。
本展ではこの印象派を中心に、19世紀後半から20世紀初めの近代絵画をヴァルラフ=リヒャルツ美術館の所蔵品からご紹介します。1861年、ドイツ中西部・ケルン市に創立された同館は、中世から近代までの10万点もの作品を所蔵する、ヨーロッパを代表する美術館として知られています。
そのコレクションの中から、印象派にまつわる画家38人の約50点を選りすぐり展示します。モネの光り輝く水辺の光景、ルノワールの愛らしい女性や子供。印象派の先駆者・コロー、クールベ、ドービニー。バルビゾン派のミレー、ルソー。印象派の父といわれるマネ。新しい表現を試みたセザンヌ、ゴッホ、ゴーギャン、シニャック、ボナール。彼らの織り成す、印象派のあゆみをどうぞご堪能下さい。