特撮の神様と呼ばれた円谷英二のもとに、若い脚本家、監督、特撮スタッフ、芸術家が集い、情熱を注いで、ウルトラマンを誕生させたのは1966(昭和41)年のこと。およそ半世紀を経た現在まで、その映像は多くの人々の心を捉え続けています。
娯楽の中心が映画から新たに登場したテレビへと移り、さらにテレビの黄金期を迎える戦後日本において、ウルトラマンを生み育てた制作現場では、熱き思いとともに様々な挑戦が繰り広げられ、時代の要請に応えて変化を遂げてきました。
さらに、子どもを対象とした雑誌やおもちゃなどの産業が隆盛をきわめる中、商業デザインの世界で、ウルトラマンは多くの若手画家らの活躍の場となりました。
本展覧会では、その原点であるウルトラQ(1966年)の誕生から、ウルトラマン80(1980年)までのウルトラマンシリーズ8作品をとりあげ、その人気の秘密を、送り手である制作側の情熱と、受け手である子どもを取り巻く文化の両面から探ります。