「器か? オブジェか? という選択肢ではなく、ロクロ成形の魅力的な可能性を追求している陶芸作家、望月薫さん。その作品は印象も用途もいろいろで、多岐にわたっています。
回転体で作ったパーツを複雑に積み上げた立体作品。合わせの納まりが心地良い蓋物。未来的なフォルムながら、使い勝手の良い土鍋。高台から口元までの美しいラインの器。そして、今回の個展のテーマは『瓶』です。
「モランディの静物画にある瓶の佇まいが好きで、今までもちょこちょこ作っては仕事場に並べていました。日常の暮らしの中に溶け込んでいながら、用途があるような無いような、でも存在感がある『瓶』の形が好きです」と。
望月さんは、沖縄県立芸術大学で学んだ民芸的な“用の美”や“野暮ったさ”も好きだそうで、、、。日本の伝統的な焼き物の世界とは一線を画した持ち味ながら、どこかヨーロッパや北欧の民芸の臭いも感じさせる作品が、望月さんの個性なのでしょう。
白、黒に加えて今回は『ブルー』という新色にも挑戦。他に皿、鉢、カップ&ソーサー、茶碗、蓋ものなどの新作も揃います。