人は物語をきいて育ちます。
眠る前であったり、孤独になったときに。
物語を繰り返し聞き、物語を自分の中に取り込んで行くことは、
自分の存在が、なぜここに在るのかを確認するための作業であるように思います。
私の聞いた民話、神話、宗教などにある物語たちは、
どれも自分にあてはまるものはありませんでした。
日本のお話、韓国のお話、どちらにも当てはまることはありませんでした。
私にははっきりとわかる、ふたつの記憶があります。
1_今在る私が、多神教、多文化の日本という国で育った記憶。
2_ご先祖様から受け継いできた身体の中、遺伝子の中に伝わっている記憶。
このふたつが重なったとき、私のなかにひとつの物語が産まれます。
私という存在を確認するために、
記憶をひとつひとつ紡ぎあげて、物語を創っていくのです。
これはわたしのための創世の物語です。