宮本三郎は、1905(明治38)年、現小松市松崎町に農家の三男として生まれ、17歳で上京後、藤島武二、安井曾太郎らに師事します。1927(昭和2)年には二科展初入選を果たし、以後精力的に創作活動を続けます。戦中は戦争記録画家として従軍。その時に描かれた作品が第2回帝国芸術院賞を受賞し、その実力が高く評価されました。戦後は、二紀会、日本美術家連盟の理事長に就任。金沢美術工芸大学、多摩美術大学の教授を歴任し、美術界の発展に貢献しました。宮本三郎は昭和画壇の雄傑として、戦後の日本絵画界に影響力を与え、多くの人々の支持を得て、激動の昭和に大きな足跡を残した画家でした。
宮本三郎美術館は、宮本三郎夫人・文枝氏の死去に伴い、ご遺族より新たな作品の寄贈を受け、2000年に開館。今年15年目を迎えます。本展では、初期の代表作《婦女三容》、戦後の代表作《日本の四季》、晩年の代表作《レ・トロワ・グラース》を一堂公開しながら、宮本の初期作品から晩年に至るまで、時代を追って宮本の研鑽の足跡を辿ります。また、宮本三郎美術館開館から15年の間に新たに加わった寄贈品や寄託品も合わせて紹介します。