現代日本画を代表する一人である加山又造は1927(昭和2)年に、祖父が狩野派の絵師、父は京都西陣の衣装図案家という京都の伝統的な家庭に生まれました。京都市立美術工芸学校を経て、東京美術学校日本画科卒業後は山本丘人に師事し、革新的日本画家として戦後の画壇に新風を吹き込む一方で、截金など古典技法の研究も深めるとともに、多摩美術大学、東京藝術大学で教鞭をとり指導者としても大きな功績を残しています。1997年に文化功労者として顕彰され 2003年に文化勲章を受章しますが、その翌年に76才で惜しくも亡くなりました。
家族から多摩美術大学に、素描を中心に多くの作品および制作資料が寄贈されることとなり、同大学では学科を超えた共同研究が行われ、2005年から 2008年にかけて3回にわたり、同大学美術館で展覧会が開催されています。八王子市夢美術館では多摩美術大学の協力により、その研究の成果を受けて、大学収蔵の水墨画・素描・版画を中心に加山又造の世界をご紹介いたします。