映画書の知・楽・美
120年になろうとする映画の歴史―その誕生の瞬間から、書物は映画とともにありました。
映画はそれまでの諸芸術やテクノロジーを貪欲に吸収し、あらゆる人々に開かれた大衆性を持ったことで、20世紀以降の文化をリードするとともに数えきれないほどの言葉と書物を生み出しました。《映画》と《映画の本》は、離れられない運命的な仲といえるでしょう。
国内最大の映画専門図書室を擁するフィルムセンターは、この度こうした映画の書物をめぐる展覧会を開催いたします。映画史を知るための基本文献、明治・大正期の貴重書や無声映画時代の“映画文庫”、豪華な大型本・愛らしい豆本、こども向けの本や優れたデザインの書籍、映画という職業をめぐる本まで、映画史と寄り添って脈々と生み出され、さまざまな魅力を放つ日本の映画書を一堂に集めて展示し、併せて、映画の本を収集している日本各地の映画図書館をご紹介します。
多彩なゲストを迎えた連続講座も交えて、書物という切り口から、映画という豊饒な知の体系に触れられる絶好の機会となるでしょう。