広島市現代美術館の収蔵作品展は、通常、学芸員が企画しています。今回は、その企画に美術評論家として活躍する椹木野衣氏を迎える、初めての試みを行います。椹木氏は、美術のみならず音楽やサブカルチャーと幅広い分野を対象に批評活動を展開する、90年代のアート、カルチャーのリーダー的存在です。
企画にあたり、椹木氏は、1300点以上の収蔵作品とその資料に目を通し、その中から「通俗的、秘宝館的」のテーマに沿って、54点を選びました。展覧会では、氏のコンセプトが細部にまで浸透した構成によって、高級芸術であるはずの美術作品に潜在する通俗性が浮かびあがります。新たな視点でとらえたエンターテインメントな展示にご期待ください。