本展では、6つの章により美術作品における身体表現を考えます。 絵画の登場人物に自らが扮する作品で知られる森村泰昌(もりむら・やすまさ)が、メキシコの女性画家フリーダ・カーロを題材とした「私の中のフリーダ」シリーズをはじめとして、平野薫(ひらの・かおる)が2008年に横浜美術館で滞在制作した、衣服をほどき再構成する作品《Untitled―mother and baby-》ほか、奈良美智(なら・よしとも)、小谷元彦(おだに・もとひこ)、岩崎貴宏(いわさき・たかひろ)、川島秀明(かわしま・ひであき)、金氏徹平(かねうじ・てっぺい)ら日本の現代美術のアーティストによる作品を展示します。またパブロ・ピカソ、サルバドール・ダリ、フランシス・ベーコンら20世紀の巨匠たちによる身体表現をあらためてとらえ直します。さらに、伝統的な日本画の技法や空間表現をとりいれつつ、現代を描く三瀬夏之介(みせ・なつのすけ)、中村ケンゴ、藤井健司(ふじい・けんじ)らの作品を通して、作品に描かれる空間と鑑賞者の身体との関係について考えます。写真展示室では、アンドレ・ケルテス、エドワード・ウエストン、ジャック=アンドレ・ボワファール、ハンス・ベルメール、マリオ・ジャコメッリら、20世紀の写真家たちがとらえた身体をご覧いただきます。