写真展「汽罐車 (きかんしゃ)」の大木 茂が中国1万3千キロの旅を終えて矢掛に戻ってきた!
広大な中国本土の西と東の辺境の地を訪ねてみた。
前期高齢者の仲間入りをしたぼく(67歳)が昨秋30日間かけて中国辺境の地を旅した。
動機は単純で、シルクロードに憧れて「新・西遊記」をしてみよう、というわけだ。もう一つ、4千キロを超えて走る長距離列車に乗ってみたかった、ということもあった。
しかし、「聞くと見るでは大違い!」、現地に行くと予想も出来なかった、驚くことの連続だった。新疆ウイグル自治区ではウイグル族が、北朝鮮国境近くでは朝鮮族が、漢民族とは全く違う文化を持ち生活している姿を目の当たりにする。
民族を隔てて人為的に引かれた「国境」とは、住民たち個人の利益、権利より上位にある「国益」とは、「国家」とは一体何なのだろう。
中央集権、一党独裁のこの国の外れで、しばし考えさせられた。
4本の長距離列車に乗り、総計1万3千キロ、182時間の「汽車旅」をした。予算は少なく安宿に泊まる。スマートではなく、無駄ばかり多い旅だったが、まるでぼくの人生のようで、こんな旅が好きだ。